大阪 エステのチャンス到来
不況局面で、与党は補正予算の編成が既定路線であるかのようなスタンスを取りながら、一方で政府は、財政事情に配慮して補正予算の編成を否定もしないが肯定もしないといった、日本人にとってはともかく、海外から、あるいは市場から見ていると不透明な状態が生じる原因となる可能性があるのではないか。
英国では、政府の中枢となる内閣は、約20人余りの大臣、両院の幹事長、院内総務によって構成される。
既によく知られているところでもあるが、こうした閣議に出席する閣内大臣の他に、一つの省庁の中に複数の閣外大臣が存在する。
具体的には、各省庁には、1人の閣内大臣の他、通常、2人から3人の副大臣、2人から3人の政務次官。
議員秘書官が席を置いている。
例えば、保健福祉省の例で言えば、1人の閣内大臣に2人の副大臣、3人の政務次官がいる。
このうち、副大臣は、閣内大臣の指揮の下、担当省庁の責任範囲の中の一定の分野を委任され、当該分野については国会でも答弁するなど、閣内大臣と責任を「分担」することになる。
また、政務次官は、一定分野について閣内大臣を補佐する他、閣内大臣や副大臣が多忙の際には、マスコミへの対応、テレビ出演等も引き受けることになる。
最後に、議員秘書官は、主として、大臣の国会対応を補佐するために指名されることとなっており、政府メンバーではなく、個人的に大臣に指名されるのである。
興味深いのは、特に副大臣について、責任を閣内大臣と「共有」するのではなく、責任を「分担」するという発想で制度が運用されていることである。
交通・地方政府・地域省を例にとると、バイヤース閣内大臣の下に3人の副大臣がいるが、地方政府、地域政策、選挙制度、消防、首都(ロンドン)政策という形で責任を分担している。
例えば、ロンドン地下鉄の老朽化問題、あるいは、道路の渋滞問題などがテレビの討論やニュースで取り上げられるとなれば、閣内大臣の他に交通担当の副大臣が対応し、国会で質問が出ればそれにも答える。
省内でも、担当分野の大きな問題以外の比較的軽微な問題については、副大臣がそれぞれの責任領域において最終決断者として機能している。
つまり、役所内の大臣の関係は必ずしも上下関係ではなく、役割分担の関係と言った方が正しい。
こうした運用のあり方は、「あまりに多くの政治家が役所内に入っているため、責任の所在が不明確になるのではないか」という批判に答えるものであり、英国の役所のホームページにアクセスしてみると、大抵の場合、33の大臣チームというポイントがあり、そこにアクセスすると各大臣の責任分担が細かく記述されて発表されている。
さて、折角、副大臣、政務次官について紹介したので、責任の話からは少々脇道にそれるが、英国の議員内閣制における有力政治家の典型的な昇進パターンについて触れておこう。
英国の政治家は、まず秘書官を2、3年務め、いくつかの省庁の政務次官を2、3年務めた後、副大臣を更に2、3年務め、こうした中で優秀と判断された者だけが閣内大臣として成長していく。
保守党、労働党、両政権における重要閣僚の経歴を眺めてみると、彼等が実に長い間、内閣あるいは「影の内閣」の中に身を置き、行政経験を積みながら、キャリアを積み上げてきていることが分かる。
こうした内閣でのキャリアを経験させるための場として多数のポストが政務次官や副大臣という形で用意されているのである。
日本では英国の制度の優れた点として、官僚を操作するために政務次官や副大臣など多数の政治家がチームを作って役所に乗り込む点が挙げられてきたが、いくら多くの政治家が役所に乗り込んできても、知識や経験が足りなければ、やはり官僚組織をよい意味でコントロールするという目的はかなえられないであろう。
むしろ、英国のシステムについて注目すべき点は、政務次官や副大臣といったポストが若手政治家のOJTによる訓練の場となるとともに、優秀な政治家を評価選別する場となっているということである。
こうして政府でのキャリアを積み上げてきた者のうち、その厳しい選別の過程を登りつめ、認められた真の実力者だけが、数少ない閣内のポストを得ることができるのである。
脇道が長くなってしまったが、責任の分担という観点から興味深い仕組みをもう一つ紹介しておくと、英国では、内閣の下に、関係する大臣で構成される内閣委員会が多数存在し、約20人で構成される内閣に代わって、少人数で効率的に迅速な決定を行っている。
内閣委員会については、存在を含め詳細は長い間秘密扱いとされてきたが、1983年にS前首相が議会でその存在を正式に認め、1992年になって漸く内閣委員会の数やメンバー、仕事分担などが公表されることとなった。
ちなみに、どのような内閣委員会を設立するか、仕事の分担はどうするか、誰を議長にするかなどは、全て首相の専権事項である。
また、内閣委員会の下には、事項毎に部会が設けられることがあるほか、正式な決定機関ではないが、大臣グループと呼ばれる会議が設けられることもある。
最近ではオーガニック食品やクロー二ングについて協議するために設けられたものがある。
現在、労働党政権下においては、26の内閣委員会及び内閣小委員会が存在し、特別内閣委員会(常設ではなく事態に応じて設定される)、常設内閣委員会に大別される。
特別内閣委員会としては、例えば、S政権の下でロンドン大市議会の廃止を検討した内閣委員会が有名であるし、B政権の下では、婦人政策を推進するための特別内閣委員会が女性閣僚を中心に構成されているほか、スコットランドやウェールズへの地方分権を推進するための特別内閣委員会などがある。
常設内閣委員会としては、公共サービスと公共支出に関する内閣委員会(議長:大蔵大臣)、経済問題に関する内閣委員会(議長:大蔵大臣)、防衛及び外交政策に関する内閣委員会(議長函首相)などが有名である。
日本では、マスコミなどで、内閣が「ハンコを押す会」に成り下がったと言われて久しく、その原因として「事務次官会議」による支配が取り上げられ、「政対官」という点に論議が集中している。
国家の行政となれば、事務量は膨大で、これを全て内閣で責任をもって処理しろというのは土台無理な話である。
いずれにせよ下部処理機関、憶過機関が必要だとすれば、英国のように内閣の下に、内閣委員会を設けて責任を分担するというのも合理的であろう。
むしろ、このように多くの与党議員が政府のメンバーとなることについて、英国では否定的な議論がある。
あまりに多くの議員が政府内に入ってしまっているため、議会の行政に対するチェック機能が果たされていないというのであり、英国議会が行政の出先機関になってしまっているという観点からの問題提起である。
「英国滞在中、恐らく最も頻繁に耳にした政治に関する言葉は、納税者ある。
だが、私が英国に赴任した当時の日本では、「税金」という言葉はしょっちゅう耳にしたが、「納税者」という言葉は、一部の専門書や専門的会議以外ではあまり耳にしなかったように思う。
むしろ、日本では「国民」という言葉が圧倒的に一般的であるのだが、英国では、政治番組などで政治家や解説者が国民という言葉を使うことはまれで、納税者という言葉が使われることが多い。
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